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TATTOOが持つ意味は 塗りかえられる

重く過去を引き摺るだけじゃない

私はちゃんと歩いてるよ 

前を向いて ちゃんと歩いてるよ

だから 泣かないで

私の為に泣かないで

TATTOO

私には2つの刺青がはいっっています

ひとつは左腕に  ひとつは背中に



作り物の家庭なんか いらない

だから ぶっ壊した


人は言う

私がすべて悪いと 

人は言う

「あんたさえ・・・」 「あんたさえ・・・」

私が幸せになりたいと思って起こしたアクションが

私の周りの人々を 不幸のどん底に突き落とした

「そっかぁ・・・私が悪いんかぁ・・・」

その発想から逃れられなかった

私は死にたかったわけじゃない

自分の身体に刃物を立てる

噴出す血の温もりに 安堵感を覚える

まるで・・・自分の存在を確かめるかのように


忘れちゃいけないのよ

消えない傷  消せない傷 戒め 希望

背負っていかなきゃならない罪と罰

私が私らしくあるための証  TATTOO

TATTOOを入れてることをあの人に告白した

あの人は即効で言った


 「あんた極道やったんかいな!

  今まで騙してたんやな?

  それで俺をどないするつもりなん?

  身包み剥いで金でもとるんか!

  俺の友達が女の為に離婚までしたのに 怖いお兄ちゃん出てきて

  金も家も全部取られてしもたんや

  あんたもそうなんか!」


ショックやった・・・

まさかそんな言葉を聞くとは思ってなかった

あの人は 私の何を見てきたんだろう

あの人の目には私がそんな風に映っていたんだろうか

刺青=極道

世間一般ではそう思われても仕方ないかもしれん

でも まさか あの人の口からそんな言葉を聞くとは思ってなかった

誰に言われるより 哀しかった

 「背中になんかついてるで? シールか?」

うかつやった・・・

隠すつもりはなかった

時期がきたら ちゃんと話そうと思ってた

 「なにがあった?

  こんなことをするには それなりの理由があるんじゃないの?


  あなたは何を背負ってるの? 話してごらんよ」

「・・・・・」


 「あなたはこんなことをしちゃいけない人なのよ

  あなたは今まで一生懸命生きてきたじゃない

  自分を誉めてあげなきゃ

  もっと自分を好きになってあげなきゃ

  過去に囚われて生きちゃだめ

  もう 忘れていいのよ


  あたしがあなたの頭を撫でて

   あなたを誉めてあげる

   ”よく頑張ったね” ”あなたはえらいよ”

   あなたにはあたしがいるから

   もう あたしがこんなことさせない

   自分を傷つけることなんて あたしがさせない

   もし、どうしてもそれ以上刺青を入れるというのなら

   あたしは何も言わない

   あなたが自分の身体に針を立て血を流すことを

   あたしが止められなかった

   あたしがあなたを救えなかったってことなんだから

   あたしもあなたと一緒に背負っていくわよ

   その覚悟があるなら彫ればいい」


あなたは 私の腕の傷跡とTATTOOにキスをし

私を強く抱きしめた

あなたの顔はとても辛そうで あなたの瞳は濡れていた


今まで人に責められることはあっても

こんな風に言われて 頭を撫でてもらったことなんか なかった!

私は・・・

ほんとに救われたような気がして

泣けた

 

本当は 腰から脚にかけて 鳳凰を彫るつもりでいた

私は 翔びたかった

過去の呪縛から 開放されたかった 

でも 止めた

私は 自分に傷をつけ 流れる血の暖かさで

自分の存在を確かめた  懺悔の術だと思ってた

だけど それは間違いだと あなたは教えてくれた


あなたに あんな辛そうな顔を もうさせちゃいけない

そう思ったから


ねぇ 知ってる?

私のTATTOOには もうひとつ 意味があるのよ